沈丁花、金木犀、梔子。全て正しく読めましたか?これはとてもいい香りがする「三大香木(さんだいこうぼく)」と呼ばれる樹木です。街のあちこちに植えられているので、を歩いていて「あら?なんかいい香り」なんて経験がきっとあるはず。
【三大香木って?】
三大香木はとても香りの強い花を咲かせる3種類の樹木のことです。
その樹木とは、沈丁花(ジンチョウゲ)、金木犀(キンモクセイ)、梔子(クチナシ)。
この3種類の木の花は別々の季節に咲きます。
それぞれの季節の訪れを、香りで知らせてくれるなんてステキですよね。
一般のご家庭で植えられていることももちろんありますが、街路樹としても多く見かけられます。
【春に咲く沈丁花】
○沈丁花はこんな植物
沈丁花の花は2~3月の早春からに咲き始めます。
外側が薄紅色、内側が純白の小さないくつもの花を、ボール型にひとつに集めたような花です。
沈丁花という名前は、その香りが沈香(じんこう)に似ていることと、丁子(ちょうじ)という生薬に似た形をしていることからつけられました。
沈香とは樹皮にキズなどがついた時、自らが出した樹液が固まり樹脂となって長い時間をかけ特有の香りを放つようになったもののこと。
○花言葉は?
そして花言葉は「不滅」「永遠」です。
これは花が咲く期間が長いことが由来となっています。
常緑樹なので、1年中葉が緑色であることも理由かもしれませんね。
○香水やアロマにはできない
沈丁花の香りそのものを香水やアロマにすることはできません。
それにはふたつの理由があります。
ひとつは精油の抽出が難しいこと。
沈丁花の香りは、100種類以上もの香り成分から成り立っている複雑な香りなんです。
もうひとつは毒性が強いことからです。
赤い実や樹液、根に毒を持っていて、下痢や嘔吐、皮膚のかゆみなどを起こすことがあるそうです。
そのため手入れするときには手袋をする必要があります。
こんなにもいい香りで、しかも三大香木の中で一番遠くまで香るといわれているのに残念ですよね。
次回は金木犀と梔子をご紹介します。