三大香木をご紹介しています。三大香木とは季節ごとにとてもいい香りを放ってくれる代表的な樹木、沈丁花、金木犀、そしてクチナシのこと。前回は春を知らせてくれる沈丁花の香りについてお話ししました。
【秋に咲く金木犀】
○金木犀はこんな植物
金木犀は小さなオレンジ色の花がかたまって咲きます。
金木犀には本来なら実がつくのですが、江戸時代に輸入された際に雄株しか入ってこなかったため、日本にある金木犀には実がないのです。
金木犀という名前は樹皮の模様が動物のサイ(犀)に似ていて、金色の花が咲くことからつけられました。
花は食材や調味料、お菓子の香り付け、お酒、ハンドクリームなどに利用されています。
また金木犀は白い花を咲かせる銀木犀という植物の変種で、こちらは金木犀よりも香りは強くないということです。
それぞれ強い香りである反面小さな花をつけること、強い香りをさせること、また3~7日程度しか香りがしないことなどが由来となっています。
【夏に咲く梔子】
○クチナシはこんな植物
大きく真っ白な花を梅雨時に咲かせるクチナシは、秋には橙赤色の実をつけます。
この実は熟しても割れません。
つまり「口を開けない」ということですね。
そのことから「口無し」と名付けられたともいわれています。
その実には消炎や止血、利尿作用、精神安定などの効果があるとされていて、「山梔子(さんしし)という生薬名がついています。
また染料としても平安時代に使われていたそうです。
現在でもたくあんやゼリー、栗きんとんなどの色付けに利用されます。
そして香りはあの有名なシャネルでも使われているということです。
○花言葉は?
クチナシの花言葉は欧米でダンスパーティーに女性を誘う時に贈られたことから「とても幸せです」とつけられています。
他にもその花の様子から「優雅」「洗練」というものもあります。
季節ごとに香りを運んでくれる「三大香木」。街を歩いた時にその香りを楽しんでみたいですね。